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多重下請け構造とは

「多重下請け構造」とは

IT業界の「多重下請け構造」とは何なのか、その概要と問題点について考えてみましょう。多重下請け構造とは、ユーザー企業から仕事を請け負った元請が、請けた仕事の一部分または大部分を2次請け、3次請けさらに4次請けと仕事を下請けさせていくというピラミッド構造のことです。
よく見る事例では、上流工程といえる要件定義や概要設計などは元請が行い、開発や実装などの下流工程は下請けに委託するというものがあります。請け負った仕事を自社で開発するよりも、外部に委託することの方がメリットがあるという場合、そういったことはIT業界以外でも行われていることです。
ただし、IT業界の場合は、この構造を利用することで大きなデメリットをもっていると言えるでしょう。

「多重下請け構造」の問題点

IT業界における多重下請け構造の問題点は、まずエンジニアの仕事に対して適切な大家が払われにくいということがあります。IT業界における業務委託は、多くの場合人手不足から行われるもので、専門性のある業務を外部に発注するといったものでありません。そのため、下請けが仕事を取ろうとするならば、価格で競争する必要があるのです。
そして2次請け3次請けとその競争が働いた結果、同じような仕事をしていたとしてもどの階層で仕事をしているかによって、受け取れる対価がまったく異なるものになってしまうのです。これでは業務内容に対して適切な対価を受け取っているとは言えません。 次にエンジニアがモノ扱いされてしまうという点でも、このシステムには問題があります。雇用流動性の低い日本では、プロジェクトごとに必要な人数をかき集めることで対応できるように、全体のプロセスが最適化されています。そのため、作業レベルの最も低い人でも作業ができるような仕様やルールが定められることになり、その結果、末端で作業するエンジニアは、いつでも替えのきくモノのように扱われるようになってしまうのです。
このような開発システムをとっていることで起こる問題のひとつが、エンジニアが育たないということです。業務を切り分け下請けに出し、それがさらに分業化されていくため、末端のエンジニアのところへきた作業は、それが一体なんのために行っているのかがわからないということが現実にあります。
作業のレベルは一番技術の低いエンジニアに合わせてあるため、できるエンジニアであってもそれ以上の成長を期待されていないという状況へ陥るのです。
その他、法律的にもグレーであり、職業安定法の 労働者供給事業の禁止や、労働基準法の 中間搾取の排除にも抵触する可能性があることも大きな問題だと言えるでしょう。

エンジニアとして働く以上、IT業界のこのような問題点についてもよく調べておきたいものですね。

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